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2009年12月15日火曜日

【取材報告】皇居の橋ウォークと釣船による千代田の橋めぐり

C-bridge(橋を核にした千代田の観光まちづくり研究会)が、「(財)まちみらい千代田」の助成を受けて実施したもので、11月21日に開催したところ希望者が釣船の定員を大幅に上回り、12月6日に追加で行われたものである。
皇居二重橋から竹橋まで歩き、そして日本橋川、隅田川、神田川などを船で巡る。日本の近代化遺産、橋梁の権威である日本大学理工学部・伊東孝教授の説明が興味をかきたてる。
二重橋というのはよく知られた二連石造アーチの橋ではなく、もともとその奥にある鉄の橋の位置にあった江戸時代の木造橋で、構造上ちょうど鳥居のように上下二本の桁が渡っていたことから名づけられたということさえ、知っている人は案外少ないのではないだろうか。皇居の橋を彩るアカンサスの装飾、台湾から運ばれた無垢ヒノキ材で造られた和田倉橋を経て、船の上からみる橋は江戸東京が運河交通で賑わっていた時代の船頭さんが曲がり角の目印に使うため、ひとつひとつ異なるスタイルでデザインされていた。関東大震災後の復興橋梁、藩の紋が刻まれた江戸城の石垣、かつて川を正面として建造されたビル群、郊外の渓谷を思わせるようなお茶の水、そして高速道路の下で押し潰されそうな苦痛に喘いでいる名橋たち。長年見慣れてきた景観がこんなにも姿を変え、慣れ親しんでいる江戸東京の歴史がこんなにも様相を異にして立ち現われてくることに驚くことばかりの四時間だった。
いま、全国各地で、それぞれに独自の視点を持った「まちあるき」や「船めぐり」イベントが行われている。それは日本人が経済効果最優先の社会の中で邪魔者として切り捨ててきたものが、都市生活、共同体、社会コミュニケーションとそれに由来する安全保障、社会的記憶、世代間の交流、信頼などいろいろな側面でかけがかのない価値を持っていたことを、多くの人々が認識しはじめていることの証拠に他ならない。
今回の伊東孝教授の案内による橋巡りイベントは、「C-bridge」や「勝どき橋をあげる会」が年に数回実施しているものなので、機会があったらぜひ参加されることをお薦めする。知らなかった町の姿を発見することは、知らなかった自分自身の歴史を知ることなのだから。

イベントナビ 三輪祐児